腕輪念珠(腕輪数珠)の作り方

この記事では、腕輪念珠の作り方を紹介します。
一般的な作り方はゴムが弱く耐久性に欠けていました。

定期的にゴムの交換は必要ですが、従来の作り方よりも緩みにくい方法をご紹介します。

ブレスレットタイプのものと区別するために、言葉の定義をしておきますね。

「腕輪念珠」とは?

念珠の世界は、伝統的に名前や形の正式が決まっているように思われがちですが、案外そうでもありません。
仏教で使われたいたものを、日常生活の田舎でもっと身近にということで、「腕輪念珠」、または「腕輪数珠」と呼ばれる簡易的がものができました。昭和の頃のカタログにはすでに掲載されています。

平成の頃にはパワーストーンブレスなど、仏教とはべつなところでよく似たものが大流行して、そのどちらでもないアクセサリー業界も加わり、見た目にほとんど変わらないようなようものが、乱立している状況です。

それら中でも、僕らが念珠専門店として扱っているのは、「腕輪念珠」と「ブレス念珠」です。

これらの名前は、誰が決めた正式ということではなく、うちがそのように定義しているだけです。

まずはこちらの画像をご覧ください。

腕輪念珠の作り方1

左のローズクォーツ(ピンク)が、腕輪念珠。
そして、右の黒オニキス(黒)が、ブレス念珠。

その違いは一目瞭然。
ピンクの方が、ゴムの結び目が見えていますね。

腕輪念珠のゴム

腕輪念珠はこれを房に見立て、より念珠の雰囲気が強く残っている形です。

それがない黒のようなタイプを「ブレス念珠」と呼び分けています。
ここで、ブレス念珠はパワーストーンブレスと何が違うのか?という疑問をお持ちになると思います。

ここまで来ると、見た目や構造の違いはありません。
あとは作る人、持つ人の心意気の違いということになってきます。

腕輪念珠とブレス念珠。
伝わりましたでしょうか。

この記事では、腕輪念珠の方の作り方を紹介します。

ゴムが違う

もともとは、作り方を紹介するほどのものではなく、先ほどの画像でいうピンクのゴムを通して結ぶだけでした。

しかし、この色ゴムは耐久性が弱く、短期間ですぐに伸びてしまうのです。

それを解消するためにどうしているかというと、中通しの見えない部分には、オペロンゴムを使っています。
これは、ブレス念珠の方で使われているゴムで、耐久性、耐水性、作業性などにおいてメリットが多いです。

腕輪念珠の作り方3

ここでは白いオペロンゴムを使っていますが、玉に合わせて色物を使ってもかまいません。

腕輪念珠の作り方

材料

まずは、必要な材料です。

  • 玉一式
    より数珠らしいということで、略式念珠と同じような配列になります。
    主玉は手首のサイズに合わせて、親玉、二天玉、ボサがはいります。
    (詳しくはいずれ、別な記事で紹介します。)
  • オペロンゴム 約1m
    慣れると80センチくらいで十分ですが、短過ぎると作業しにくいので、初めてチャレンジする方は1mで用意することをオススメします。
  • 色ゴム 12センチ
    腕輪専用というわけではありませんが、手芸店などでは手に入りにくい細いものです。当店でも小分けできますので、必要な場合はご相談ください。
腕輪念珠の作り方4

ボサと色ゴムの準備

ボサとは、房の付け根につく部品です。

ポイント

細いワイヤー(10cm程度)を用意すると便利です。写真では、ピンクのワイヤーを使っています。テグスなどで結構です。ワイヤーの太さはコシがあれば細いほど作業しやすいです。
少なくとも、ワイヤーを二つ折りにして、制作する玉の穴にスルスル通るものを用意してください。

ワイヤーの使い方

最初に、色ゴムを写真のように通してしまいます。

下の写真ではどちらもピンクなので、紛らわしくてごめんなさい。
右手に持っているのが色ゴム。中央に置いてあるのがワイヤーです。

腕輪念珠の作り方5

オペロンゴムの通し方

1mほどあるオペロンゴムは、半分の半分に折ります。
そして、4本の束を玉に通して行きます。

オペロンゴムの切れ端の方は洗濯ばさみで留めておくと作業しやすいです。

輪が二重になっているほうに、色ゴムの時と同じようにワイヤーをかけて通して行きます。

腕輪念珠の作り方6

親玉からスタート

どこからスタートしても問題はないのですが、親玉を通してしまう方が間違えにくいです。

親玉(左穴)→親玉(下穴)→ボサから出た色ゴム→親玉(下穴)→親玉(右穴)の順で通します。

左右は対称ですので、左利きの人は逆にした方が作りやすいでしょう。

腕輪念珠の作り方7

主玉、二天玉

続けて通します。

主玉の数は腕回りのサイズに合わせて調整できます。

輪のちょうど横にくる位置に、二天玉(小玉)が入ります。
一周して、親玉に返って来たところでオペロンゴムを結びます。

腕輪念珠の作り方8

オペロンゴムの結び方

そのまま4本同士の束を結んでしまうと、結び目が大きくなり美しくありません。

「二重輪」なっているほうに、「ひとつ輪」の部分を通します。

この、「ひとつ輪」と切れ端の部分を結びます。
2本同士になるので、結び目が小さくできます。

腕輪念珠の作り方9

オペロンゴムを切る

結び終わったら、不要な部分はカットしてください。
あまりギリギリのところを切ると解けてしまいますので、結び目から2mm程度を目安にするとよいでしょう。
結び目が小さくできていますので、親玉の中に隠してしまうことができます。

腕輪念珠の作り方10

ゴム紐の結び方

ボサから出てきたゴム紐は、左右ずらして、片側が長くなるようにセットします。

写真のように長い方を折り曲げて、1本と輪を結びます。

蝶結びを片側だけつくる、片花結びと呼ばれている結び方です。
このままでは、結び終わったゴムが横を向いてしまいます。

そこで、こちらのイラストのように結びます。

色ゴム全体を束ねるようにして、一本をグルっと回します。

これで完成です。

腕輪念珠の作り方2

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